本日はわたくし薄口ミーム評論家(真顔)が「Copium」というワードの意味や由来を解説します。ここ数年上昇している言葉で、もしかしたらRedditやDiscordなどで見る機会があるかも知れません。毒の効いた表現なので取り扱いには注意が必要ですが、自分で使わなくとも意味を知っていれば、文脈の読み取り力が向上します。
Copiumの定義
まずは「Know Your Meme」でざっと概要を読んでみましょう。
Copium is a portmanteau of the words "cope" and "opium" used to describe a fictional drug to help one deal with loss. It is frequently used in a meme featuring Pepe the Frog hooked to an oxygen tank labeled "copium."
Copiumとは、「cope」と「opium」の合成語で、喪失に対処するための架空の薬物を表す言葉として使われています。Pepe the Frogが "copium "と書かれた酸素ボンベにつながれているミームでよく使われる。
Copium(コピウム)はCopeとOpiumを合わせた造語です。何だか物質の名前のような響きですが、実際意味はCopeは「対処する」「処理する」で、Opiumは「阿片/精神を麻痺させるもの」です。
お気付きの人もいるかも知れませんがCopeを現在分詞にするとCopingになります。Copeの意味が「対処する」「処理する」等だとすると、何か日本でも知られている言葉に含まれていると思いませんか。
そう「ストレスコーピング」のコーピング(Coping)は「Copium」の前半部分に使われている「Cope」です。ストレスへのコーピング=対処。ストレスコーピングなんて横文字で言うと何やら凄いテクニックみたいですが、実は何てことはありません。
Copiumの意味合い
さて次はやや分かり難い「喪失に対処するための架空の薬物を表す言葉として使われています。Pepe the Frogが "copium "と書かれた酸素ボンベにつながれているミームでよく使われる」部分の意味です。
これはカエルのペペ(人々)がボンベから「copium」という架空の薬物(精神的な概念)を吸引することによって、「自分にとって受け入れがたい事実を、Copiumの力を借りて無理やり正当化・合理化する」つまり現実逃避というある種の「対処」をしているという意味です。
この概念を、日本語で一般的に知られている話に例えると「酸っぱい葡萄」に近いと思います。
「酸っぱい葡萄」はイソップ寓話の1つで、高い所に生えていた葡萄を食べようとしたが取れなかった狐が「あの葡萄はきっと酸っぱい(まずい)に違いない」と負け惜しみを言い、無理矢理自分を正当化しようとしたという話です。
国外サイトのCopiumの例文を見てみます。
-Supporters of the losing candidate claim they didn’t legitimately lose the election; they say it was due to foreign interference and election fraud. They’re clearly high on copium.
負けた候補の支持者ら、あれは合法的に負けたんじゃなくて外国の妨害と選挙違反が原因だって言ってるぜ。頭コピウムだよな。
日本では「コピウム」というカタカナ語はさすがに普及していませんし、それに相当する日本語のメジャーなネットスラングも今のところ無いような気がしますが、こういった現象自体は日常茶飯事かも知れませんね。